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関東以西(まれには、福島県いわき市付近、新潟県下にも見ら れる)の各地暖地に、普通に自生するシダ植物。韓国、中国、東南アジア、インドにも分布する。
名前の由来:シダというと、一般シダ植物の総称名になっているが、古くはウラジロをさした名という。葉の表面は緑色、裏面は白色。このことからウラジロの名になった。シダの語源については、谷川士清の「和訓栞」(1777年)に「しただる物ゆえに名づく」
とあり、シダ(ウラジロ)が葉先を下にたれるようになることから名づけられたと記してある。
特徴ある伸び方:ウラジロの葉の伸び方は独特で、葉柄は光沢が
あり、かたい茶褐色で針金のように細く、その葉柄の頂点から左右に2分して葉片がつく。その分岐点の頂端に芽がある。翌年には、この芽からさらに葉柄を伸ばし、その先端から左右に葉片を
出すことを繰り返すので、大きいものでは高さが3mほどになる
ものもある。地上に茎は出さず、地下茎を横に伸ばして、これから地上に葉を出して繁殖する。日当たりよい乾燥地に多い。
正月の飾りに:正月の飾りに広く用いられているが、ウラジロの方言モロムキが縁起をかつぐきっかけになったのではないか。葉柄の先端に左右同じ葉が向き合って出るのを、夫婦が仲むつまじ
く向き合っているのにたとえたというのである。また、モロムキは長崎の方言の諸向きで、風が吹くと、あちこち向きが変わるが、元は離れない。つらいことがあっても夫婦は離れないものだ
ということからきているとされている。
採取時期と調整法:冬に地上部をとり、刻んで日干しに。
成分:タンニン様物質を含むが、精査されていない。
薬効と用い方: 利尿に:1回4〜8gを水300ccで約1/2量に煎じて服用する(伊澤一男著:薬草カラー図鑑より引用) |